悪いこと言わないからやめておけ。
やめておけ
大切なことなので2回言いましたが、クロスバイクのロードバイク化やらドロップハンドル化はやめておいたほうが良いよというお話です。ただし、ロードバイク化・ドロップハンドル化が法律で禁止されているわけではないので、それでもやりたい方はご自由に。
とたまに聞かれるんですが「やめておけ」「潔くロードバイクを買え」と助言しています。その理由を3つ述べさせていただきます。
理由①:そもそもフレームの構造が違う
これが一番大きな理由です。例えば、私のロードバイク。
他にもいろんなパラメータはありますが、キーになってくるのは「(水平換算)トップチューブ長」です。
ピンク色の長さのことで、フレームを変えない限りはこの長さは変えることはできません。そして、ロードバイクのハンドルの握る場所(はいくつかありますが)はフロントフォークのコラムよりかなり前にあるため、サドルからハンドルまでの長さはトップチューブ長よりかなり長いことがわかります。
じゃあ、クロスバイクはどうかというと、ハンドルの構造上、ハンドルの握る場所はフロントフォークのコラムに近い位置にあり、サドルからハンドルまでの長さがトップチューブ長より長いものの、ロードバイクより差がないことがわかると思います。
つまり、適正サイズのクロスバイクに乗っていて、ハンドルだけドロップハンドルに交換すると、ハンドルを握るポジションが体から遠くなってしまい、かなり辛い姿勢で乗らなければならないわけです。もちろん、ステムの長さで調整はできるかもしれませんが、極端に短い・長いステムは見た目も悪く、ハンドルが異常にクイックになってしまったりバランスが崩れる原因になります。
理由②:(一般的に)交換すべきパーツが多い
例えばクロスバイクのフラットバーからドロップハンドルに交換することを考えると、まずはドロップハンドルを購入する必要があります。そこまでは良いんですが、ドロップハンドルで使うブレーキレバーやシフターはフラットバー用とはことなるので、それも買う必要があります。(SHIMANOで言うところのSTIレバー)
油圧ディスクブレーキではなくVブレーキを使っているクロスバイクなどでは、STIレバーのブレーキの引き代と互換性がない場合があり、その場合は引き代を変換するガジェットか、もしくはSTIレバーでも使えるVブレーキに交換する必要があります。
これで終わりではなくて、例えばディレーラーがMTB用のコンポの場合はSTIレバーと互換性がない場合があり、それも交換する必要があります…。
と、言う感じであれもこれも交換しなきゃとなります。だったら最初からロードバイク買ったほうが良いでしょ?
理由③:そもそもパーツが品薄
半導体不足は有名ですが、自転車業界もコロナ禍で需要が急増し、自転車や部品の不足が続いています。
理由①・②が問題なかったとしても、ドロップハンドル化・ロードバイク化に必要なパーツが手に入らなければ話になりません。部品不足に便乗して、価格を高めに設定されていることもあるので、お気をつけください。
それでも改造したい人
そういう人っていますよね、わかります。私です。
たとえば、以前乗っていたクロスバイクですが、ハンドルを交換することを見越してわざとワンサイズ小さめのクロスバイクを購入し、トップチューブ長が短いものをチョイスしました。
ただし、先述の通りドロップハンドル化は交換パーツが多くなるので諦めて、代わりにブルホーンハンドルに交換することで、シフターやブレーキレバーを使い回すことができました。
逆に、以前乗っていたロードバイクを街乗り用に改造した際も、ドロップハンドルからフラットバーハンドルに変えてしまうと異常にハンドルが体に近づいてしまうので…
こちらもブルホーンハンドルに交換することで、トップチューブ長の問題を回避しています。その代わり、ブレーキレバーとシフターはロードバイク用コンポが使えるものを購入しています。
というわけで
改造自体はできなくはないですが、難しいポイントが多数あるので、それを予め念頭においておいたほうが良いです。とはいえ、改造して自転車への愛着が深まったりするので、大切に自転車に乗ってもらえれば私も幸せです。